大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)420 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鍛治利一、同澤田剛の上告趣意について。

論旨第三点は、原審が証拠として提出もなく証拠調もしない「配給所販売原簿」

を証拠として有罪を宣告したのは憲法三一条等の各条に違反するというのであるが、

原審第一回公判調書の記載によると、裁判長は所論の原簿を被告人に読聞けて証拠

調をしたことが明らかである。されば論旨はその前提たる事実を欠くが故に問題と

ならない。その他の論旨(第一点及び第二点)は、いずれも刑訴四〇五条所定の事

由ではないので上告の理由とはならない。そして被告人の原判示の所為が刑法二四

六条一項の詐欺罪を構成するものであつて食糧緊急措置令一〇条本文の適用のない

ことについては、当裁判所がしばしば判例として示すところであるから(昭和二三

年(れ)三二九号同年七月一五日第一小法廷判決、昭和二四年(れ)二五三五号同

二五年二月二四日第二小法廷判決、昭和二四年(れ)一六三九号同二五年二月二日

第一小法廷判決)原判決には論旨第一点において主張するような違法はない。また、

論旨第二点の主張は事実誤認の主張であつて、所論の食糧配給公団の前身は食糧営

団であり食糧配給機関としてはいずれも社会的には同一視されているのであるから、

仮りに原判決に所論のような誤認があつたとしても刑訴四一一条所定の場合に当る

ものとは認められない。

よつて、刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致した意見によ

り主文のとおり判決する。

昭和二六年六月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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